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【 AI活用 】システム開発内製化のメリット

■骨材製造にAIを組み込むまでの経緯

ヤマサは建設関連事業の他に、地域に密着したガソリンスタンドの運営や配達灯油などを手がける燃料事業、「特定米穀」や「主食米」を取り扱う食糧事業などを営んでいます。
どの事業も地元を支えるインフラとして長い歴史を持ちます。

(昭和31年ごろの、1月2日の「初荷」出発式のようす)

 

その中でも、「建設関連事業の骨材製造」に「AI」を取り入れたのは、資源の枯渇が世界中で叫ばれる「戦略資源」であることがきっかけの一つです。
AIで効率性を高めれば地域はもちろん世の中に、より貢献ができる可能性があると考えました。

また、事業の継続性を考えた場合に、骨材製造に欠かせない破砕機の維持管理コストが大きいこともあげられます。AIを活用し、破砕機の維持管理コストを下げることが出来れば、同じ事業に取り組む方のお役に立てるはずと思ったのです。

 

■G-MOS開発までの道程

アイディアはありましたが、カタチにするためはITの力が必要。

ITエンジニアと仕事を進めるには、「外部委託」と「内製化」の2つの選択肢があります。
ヤマサでは「内製化」を選び、ITエンジニアを社員として採用し開発チームを立ち上げました。

「内製化」を選んだ理由は、
・自社のサイズに合ったシステム開発ができるチームを求めていた
大手のシステム開発会社などに依頼をすると、弊社のような“いち中小企業”の依頼に本気で応じていただくことが難しいのが実情。また、応じていただけたとしても、コスト面や進め方などが折り合わない可能性があります。
そこで、自社の状況を理解し共に考えてくれるチームが必要だと考えました。

 

・現場の課題に寄り添い「現場が活用できる」システム。さらに状況にあわせてブラッシュアップしたい
骨材製造の最適化をシステムで進めるためには、骨材製造への理解と実現する上での課題を抽出できる視点が必要となります。さらに抽出した課題を、現場状況やニーズに応える形で解決できなくては意味がありません。

現場と目線を同じくし、システムのアプローチで解決できる専門家が求められます。そのため現場に寄り添い、共に考えるITエンジニアを社員として採用したいと考えました。

 

・工数やコストがかかっている部分を、システムを活用することで効率化を進める文化を育てたい
骨材製造をはじめ、古くから営んでいる事業では「今までこれでやってきたから」「不便はないから」という理由で、旧態依然のスタイルで事業を継続していることが多々あります。
これでは、事業にかかる工数が減らず、事業の発展性がないどころか、将来的に人材不足で事業継続が困難になる可能性があります。

この状況を打開し、事業を発展させるためにも、事業にフィットしたシステム開発が必要です。

―― ITエンジニアを社員として採用することで、業務のスマート化を図れるポイントを見つけ出し、DXを推進する
―― そして、この考えを全社に共有することで、事業を発展させサービスの向上を図り、地域への貢献を高めたい

 

このような考えから開発チームの内製化を選択し、ITエンジニアを社員として採用。社内DXに着手しました。

〈採用についてのコラムはこちら〉

【DX推進コラム2】目指すは”DXの内製化”

 

 

 

■開発チーム内製化の効果

このように開発チームの内製化を決め、社内DXを進めている途中ではありますが、現時点でも事業全体に波及するポジティブな効果が見つかりはじめたので、ご紹介させていただきます。

 

効果1:従業員の仕事に対する満足感が高まる
当社では、これまで様々なレポート業務や伝票処理などを、紙とFAXで進めていることが多々ありました。また、同じ情報でもレポートする先ごとに記入し送るということを繰り返し行う必要があったのです。
これらをDX化し、デバイス上で1度入力すれば様々な処理ができるようにしました。

同じことを繰り返す煩わしい業務が無くなり、「必要だけど無駄の多い作業」から解放され仕事に対する満足度が大きく向上。そのぶん自分が仕事で成すべきことに集中できる、納得感をもって仕事ができる環境をDXで実現し、工数やコストでは図れない価値を見出すことができました。

 

効果2:誰でもデジタル化を考えるようになった
DXが「自分たちを幸せにしてくれるもの」だと体感したことで、デジタルデバイスに慣れていなかった従業員もそのメリットを理解し、徐々に使いこなせるようになりました。その結果、DX化することで仕事がラクになり能率も上げられるという認識が、現場だけでなく比較的年齢の高い幹部層にまで広がったのです。

今では、オフィスの棚を修理することを相談するような感覚で、従業員が社内エンジニアに業務のDX化を相談したり、使っているシステムの改善を相談したりすることが日常の風景となっています。これは現場とITエンジニアが直接つながって、アジャイルでシステム開発が進んでいくスタイルそのもの。

「使いやすいように、現場とITエンジニアが一体となってシステムを日々進化させる」「困っていることがあればデジタル化できないか相談しよう!」というカルチャーが生まれたことは、大きな効果の一つです。

 

効果3:ITエンジニアの能力を遺憾なく発揮でき、自社にフィットしたシステムをつくれる
ITエンジニアの視点からになりますが、業務改善にリミットを設けずチャレンジできるということがあげられます。

システム開発会社の場合、〈営業・ITエンジニア・開発〉と業務が分業化されており、自身の職域しか携わることができません。ユーザーと直接対話せず、仕事を進めることもよくあります。

一方、事業会社の社内ITエンジニアチームとして業務に携わる場合、現場の意見をダイレクトにヒアリングし、フィットするシステムをつくり上げることができます。また、業務範囲にも制限がないため、ITエンジニア自身が納得の行くまでクオリティを追求することができるのです。

 

…このように、便利なシステムが出来上がるだけではなく、使う人も作る人も満足感が高く、事業の発展にも貢献する。
これが社内にITエンジニアチームを設けることの効果だと考えています。

2022年5月9日 代表取締役 北爪寛孝

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